1.花粉症で悩んだ学生時代

学生時代奈良の地ですごしましたが、大学生のころから春先になるとスギ花粉に悩まされる日々が続きました。毎年2から4月ころになると鼻水、くしゃみ、鼻づまりに悩まされていました。
医師になってからも花粉症に悩まされる日々が続きました。つらい時は1日にテイッシュケースを数時間で2箱使用した経験もあります。その当時は抗ヒスタミン薬を服用していましたが、効果の出ない日もありました。何とか克服できないかと考えておりましたが、ある日桜沢如一氏の無双原理という本にであいました。
「身体は食べ物からできている。病気の根は腸にある」など興味深い内容のことが書かれてありなぜか自分でも腑に落ちました。改めて自分の食生活を見直したところ、花粉症の症状が改善していきました。

2.花粉症の四大症状について

花粉症には典型的な症状があります。
その中でも代表的なものは①くしゃみ②鼻水③鼻づまり④目のかゆみです。
これらは花粉症の四大症状です。私も経験者ですからよくわかります。しかし花粉症のこれらの症状は一見すると風邪の症状ともよく似ています。しかしながら比較すると明らかな違いがあります。
まず花粉症のくしゃみは連続して起こり、回数が多いのが特徴で、7から8回以上続くことがあります。風邪のくしゃみはせいぜい3から4回程度です。鼻水の性質も異なります。花粉症の鼻水は水のようにサラサラしており、いくら鼻をかんでも出てきます。一方風邪の場合は徐々に粘液性の粘っこい鼻水に変化します。鼻づまりについては花粉症の場合かなり頑固です。目のかゆみについては風邪で生じることは希です。

3.花粉症はアレルギー疾患の一つ

ガンなど現在病の多くは様々なストレスによる交感神経の緊張で発症しますがアトピー性皮膚炎や気管支喘息、花粉症等のアレルギー疾患は副交感神経が優位になって発症する病気と考えられています。
副交感神経が過度に優位になるとリンパ球過剰体質となって、花粉やホコリ等のすこしの刺激にもリンパ球が過敏に反応してアレルギーを発症してしまいます。つまりアレルギーはリンパ球の暴走と考えられます。元来子供は15歳くらいまではリンパ球が多い副交感神経優位の体質のためアレルギーが起こりやすいのです。
しかし最近では大人もアレルギー疾患が多くなっています。様々な食物が満ち溢れ、過食傾向にあり、また運動不足もあり生活習慣の悪化がアレルギー疾患の発症を促しております。

4.花粉症を乗り越えるための方法はあるのか?

花粉症の治療は、西洋医学では一般的に抗ヒスタミン薬の投薬が行われています。
耳鼻咽喉科の専門病院では減感作療法といって薄めた花粉のエキスの注射などが行われています。
しかしこれらの治療も根本的な治療とは言えません。最近の研究の中で、腸内細菌の一部がTリンパ球の過剰な反応を抑制することが報告されています。日常食べる物に気をつけることで腸内細菌を変えることが可能となるようです。
食事については和食が見直されています。腸内細菌のバランスを悪くする抗生物質を使用した肉類や砂糖の過剰摂取を避け、抗酸化力のある玄米や発酵食品、緑黄色野菜、海藻、大豆製品などが推奨されています。
皆様も安易に薬に頼らずに、自分の体を見直して食生活習慣を変えてみてはいかがでしょうか。

参考文献

花粉症の最新治療  斎藤洋三
薬をやめると病気は治る  安保徹